アメリカの野球ファンを魅了、大谷翔平の二刀流

「オオタニ」を愛する野球少年

 日米の注目を集めて海を渡った大谷翔平の2年目が終わった。日本のマスコミがうたう「全米熱狂」ほどの社会現象にはなっていないが、野球ファンの間では着実に人気が浸透してきている。米新聞社でスポーツライターの経験もある日本人ジャーナリストが、エンゼルスの地元で見た大谷人気の実態とその理由を紹介する。(志村朋哉/在米ジャーナリスト)

 野球が好きでたまらない3歳になる息子を地元のリーグに入れた。他に手を挙げる親がいなかったのか、息子のチームの監督を任されることになった。

 3、4歳で構成されるこの最年少ディビジョンに参加するのは、よほどの野球好きか親が熱心な子どもたちなので、人数は全4チーム合わせて30人弱しかいない。アウトや点数も記録せず、こどもが楽しく体を動かすことが目的である。言葉もたどたどしい子どもたちが、ぶかぶかのユニホームを着て、一生懸命に走って、投げて、打つ姿は可愛い。

 筆者が任されているのは、メジャーリーグの球団名にちなんだメッツというチーム。偶然にも、わが子を含めてやる気のある子が3、4人集まったため、残りの子たちも触発されて全員がメキメキと上達している。半ば無理やりバッターボックスに立たされる子どもが多いリーグで、メッツは当たり前のように強烈なライナーを放ち、他チームの親を驚愕(きょうがく)させている。

 そんなメッツの中でも特に熱心なのが、3歳になったばかりのルーカス・マルティネスくん。いつも練習に来るなり、キャッチボールやノックをしてほしそうに筆者に近寄ってくる。打撃練習では、こっちが心配になってやめるまでティーに置かれたボールを楽しそうに何十球と打ち続ける。

 母エイプリルさんは、エンゼルスの地元オレンジ郡在住にもかかわらず、大のヤンキースファン。ルーカスはお母さんの影響で、いつもバットとボールを手に、メジャー中継を見ながら育ってきた。

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