プロ野球の近鉄、日本ハム、楽天で監督を務めた野球評論家の梨田昌孝さん(66)が新型コロナウイルス感染から回復した。3月下旬に発熱などの症状が表れ、31日に大阪府の病院に入院。悪夢にうなされ、一時は危険な状態に陥りながらも、一命を取り留めた。5月20日に退院し、順調にリハビリを進めている。時事通信の電話取材に応じた梨田さんが自身の闘病生活を詳細に振り返り、今季プロ野球への期待などを語った。(時事通信運動部 池田亜矢子)
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―評論家として、今年もシーズンに備えて活動していた。
2月は全球団のキャンプに行った。下旬は講演の予定が入っていたが、コロナの影響で延期や中止になった。オープン戦は甲子園や京セラドーム大阪へ。いつもなら試合前は打撃ケージの後ろで監督らに話を聞くなどするんだけど、3月14日の京セラ(オリックス―阪神)ではベンチにも入らず、コーンで仕切られた場所で練習を見ていた。(ウイルスを)もらうかもしれないし、あまり人と接しないようにはしていた。
―3月下旬になって体調に異変が表れた。
おかしいな、って思ったのは3月25日の昼すぎ。体がだるいな、と。体温を測っても36度台後半とか37.1度くらいで、風邪なんだろうなという感じだった。37.5度以上が4日間続かないとPCR検査を受けられないという話を聞いていた。4日間くらいだるさがあったけど、仕事ができないわけでもなかった。それが28日ごろから味覚や嗅覚が薄れてきて、29日に38度くらいに熱が上がった。30日には、あまり自分では覚えていないが、家内いわく39度以上になった。町医者さんに紹介状を書いてもらって31日に(別の病院に)入院して検査を受け、次の日に陽性反応が出た。
自分はコロナにかからないだろうと思っていた。体力を過信するところがどこかにあったと思う。
感染経路は分からないし、誰かにうつしたというのもない。周りでかかった人もいない。
―陽性の結果は自分で聞いたのか。
(入院先に)運ばれた時は意識がもうろうとしていた。(3月)30日くらいから記憶が断片的だった。そのくらい高熱でうなされていたんでしょう。PCR検査を受けたのも覚えていないし、当然アビガン(抗インフルエンザ薬)も飲めない状態。あとは寝たきりだった。
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