新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今季の女子ゴルフは米ツアー、日本ツアーとも宙に浮いた状態となっている。畑岡奈紗(21)は主戦場とする米ツアーで通算3勝を挙げ、日本勢最高の世界ランキング4位。今は茨城県の実家で調整しながら、中断しているツアーの再開を待っている。日本人3人目となるメジャー大会制覇に意欲を見せ、来年夏に延期された東京五輪では金メダルを目指す。同学年の勝みなみ(21)は、国内ツアーがいまだに開幕を迎えられていない中でも明るい話題を届けようと、ゴルフ場の外で積極的に情報を発信している。有力選手がそろう1998年度生まれの「黄金世代」で最初に台頭。世代の先駆けとも言える。畑岡も勝も、コロナ禍の終息を願いながら雌伏の時を過ごしている。(時事通信運動部 前田祐貴)
◇愛犬に癒やされ、黙々と
畑岡は高校3年生だった2016年、国内最高峰の日本女子オープンを大会史上最年少の17歳で制し、直後にプロ転向を宣言。翌17年から本格参戦した米ツアーでは18年に2勝、19年に1勝を挙げた日本のエースだ。
4月29日にオンラインで時事通信のインタビューに応じた。実家で飼っている2匹の犬に癒やされながら、7月下旬予定の米ツアー再開に備えているという。シーズン中でも欠かさないウエートトレーニングは、バーベルなどを使って「オフと同じぐらいやっている」。飛距離アップやけがの防止を見据え、上半身を重点的に鍛えている。
今季は1月の開幕戦で7ホールに及ぶプレーオフの末に優勝を逃し、第2戦も1打差の2位。一定の手応えを感じつつも悔しさが残った。「勝負どころのパットを一つでも決めていれば…。一番の課題はショートゲーム」。練習場に行けない日が多いため、実家で黙々とパッティングの感覚を養っている。
コロナ禍の拡大により、出場予定だった2~3月の東南アジアなどでの3連戦は中止。「米国に入れなくなったら大変だという気持ち」で予定を早めて3月上旬に渡米したものの、米本土でのツアー再開も先送りになった。照準を合わせていた4月上旬のメジャー初戦、ANAインスピレーションは9月に延期。その後、米国でも急速に感染が広がり、2週間ほどで帰国した。
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