世界の車窓から虫探し 豪キュランダの旅
 昆虫記者のなるほど探訪

昆虫記者、オーストラリア進出

 早朝のオーストラリア・ケアンズ国際空港。格安航空ジェットスターの狭いエコノミー席で、日本から7時間半、巨体のオーストラリア人に囲まれてほとんど眠れなかった昆虫記者は、重い荷物を背負って、よろけるようにタクシー乗り場へ向かった。1月末のオーストラリアは真夏だ。雨季で湿気も多く、早朝でもじっとりと蒸し暑い。(時事通信社・天野和利)

 実は昆虫記者は、はるか以前に、新婚旅行でケアンズに来たことがある。巨大サンゴ礁グレートバリアリーフでウミガメと一緒にシュノーケリングに興じた。子供が独り立ちしたら、また妻と一緒に訪れ、若き日の甘い思い出に浸りたい。今回は、そのための下見…というのは真っ赤なうそである。

 タクシー運転手に告げた行き先は、ケアンズ市内の海辺のホテルではなく、内陸の「フレッシューウォーター駅」。そこから列車に乗って、熱帯雨林に囲まれた昆虫天国、キュランダ村へ向かうのである。

 キュランダ村は、ケアンズからの日帰りオプショナルツアーの定番だ。芸術家の集まる美しい村であり、コアラやカンガルーと触れ合える施設もある。先住民アボリジニのショーやリバークルーズも楽しめる。しかし、キュランダ観光のクライマックスは、村の中にあるのではない。ケアンズとの間を結ぶ交通手段そのものが一番の「売り」なのだ。

 テレビの長寿番組「世界の車窓から」のかつてのオープニングシーンで有名なキュランダ高原列車(キュランダ・シーニック・レイルウェー)と、世界自然遺産の熱帯雨林の樹上世界を行くロープウエー「スカイレール」に乗れば、それだけでキュランダ満喫なのである。もちろん昆虫記者は、そこに熱帯の虫たちをトッピングする。鉄道ファンで、乗り物好きで、なおかつ虫好きならば、もはや、天国を飛び越えて、宇宙の果てまで上り詰めそうな、絶頂感を味わえる場所。それがキュランダなのである。

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