【昆虫記者】ムササビの森でビワハゴロモと深夜の密会
 昆虫記者のなるほど探訪

格安の宿に極上の虫

 たった2泊のキナバタンガン川アニマル・ウォッチングで、8万円もの大金を使い果たした昆虫記者。残りの資金は1、2万円。ボルネオの旅の残り数日は、サンダカンの町に近いセピロックで格安の宿に泊まることに。しかし、ここにもジャングルがあり、極上の虫がいるはずなのだ。

 宿はその名もセピロック・ジャングル・リゾート。マレーシア・サバ州の主要都市サンダカンの空港から車でわずか30分の場所だが、「ジャングル」と自称するだけのことはある。カビリ・セピロック保存林の入り口ような位置にあって、サイチョウも飛んでくるし、庭木の上をリスが走り回っている。花壇にはキシタアゲハも飛んでいる。ホテルの花壇にワシントン条約で保護されているキシタアゲハとは、それだけでもすごいではないか。

 部屋にはきれいなゾウムシが迷い込んできた。誰かがいたずらで、ピンクの粉を振り掛けたようなおしゃれな虫だ。沖縄でよく見かけるヒラヤマメナガゾウムシに近い種類だろう。

 草むらを跳ね回っている普通のバッタでさえ、赤、黒、黄色の目立ち過ぎの服装。緑色の体で草葉に紛れ、天敵から身を隠すのがバッタの常だが、南国ではそんな常識は通用しないのだ。

 宿泊料は息子と2人で一泊5000円程度。大枚をはたいて人跡未踏の奥地まで行かずとも、お手軽にボルネオの自然を味わえる。それがセピロックだ。

 ここのホテルもまた、西洋人で満室状態なのだが、彼ら、彼女らは、一体何を求めて、こんなところに泊まっているのか。もしかして虫見?。そんなことは絶対あり得ない。これまた、オランウータンのためなのであった。

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