【昆虫記者】助っ人は蝶館主人の熱虫人
 昆虫記者のなるほど探訪

花畑はまるで昆虫園の温室

 石垣島では、ほぼ一年中、蝶とたわむれて暮らすことができる。3月になればもう、花畑に蝶が群れ飛ぶ。台湾の台北より南に位置する石垣島では、3月は本土の初夏の気候だ。

 センダン草の花が咲き乱れる海辺の空地。沖縄では珍しくも何ともないアゲハやマダラチョウの仲間が飛び回る中、カメラを手に大はしゃぎしている者がいる。もちろん、昆虫記者である。

 島人(シマンチュ)はこんな蝶になど、見向きもしない。誰も写真など撮らない。誰も虫捕り網を持ってつかまえようとはしない。虫に関心のないシマンチュならば、こう思うはずだ。「ナイチャー(本土の人)は何を考えているのか分からない。よっぽど暇なのか」。

 多少虫のことを知っているシマンチュならば、きっとこう思うだろう。「シロオビアゲハなんて、撮って何が面白いのか。ヤエヤマカラスアゲハなんて撮って、何が楽しいのか。スジグロカバマダラなんて、いつでも、どこにでもいるじゃないか」。

 しかし、本土ではまだ虫の少ない春先に石垣島にやってきたナイチャーの昆虫記者は、都会の昆虫園の温室で南国の蝶を見てはしゃぐ子供と何ら変わりはない。リュウキュウアサギマダラやスジグロカバマダラは、マダラチョウの仲間では1、2を争う普通種。しかし、昆虫園で走り回る子供と、石垣島で興奮しまくる昆虫記者には、そんなことは全く関係ないのだった。

バックナンバー

特集

コラム・連載

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ