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清宮幸太郎、「育む球団でさらなる成長へ」 担当記者が見た大物ルーキー

「育てる」より「育む」

 栗山監督には確固たる持論がある。「大事なのは『育てる』のではなく、『育む』こと」。具体的には「こちらが試合出場機会を与えてやるのではなく、自分で活躍してポジションを取る。選手の活躍をお手伝いする感覚」だという。

 教え込むのではなく、成長を促す―。日本ハムは若手を積極的に起用するイメージが強いが、若手同士の競争も激しい。清宮もCSでの出場は3試合で1打席のみに終わり、「自信と信頼を得て、この舞台に戻ってきたい。進化した自分で帰ってきたい」と唇をかんだ。

◇「自分で考える選手が多い」

 シーズン後、オリックスから移籍してきた金子弌大投手が入団記者会見で発した言葉も、日本ハムの実像を表している。18年までは対戦相手だったチームの野球観に共感した部分を聞かれ、こう話した。「選手が若い頃から結果を残せる。自分で考えて自分に何が必要か、しっかり考えられるのが大事。そういう選手がたくさんいる」

 清宮は11月下旬に契約更改し、記者会見で「自分自身やっていけるな、と思ったところと、まだまだだなと思ったところがあった。自分の実力がすごく分かった1年」と冷静に振り返った。恵まれつつも厳しい環境でもまれながら、2年目にどう成長していくのか。真価を発揮しそうな19年になりそうだ。(2018年12月)

◇ ◇ ◇

 清宮 幸太郎(きよみや・こうたろう) 東京都出身の19歳。小学生で野球を始め、2012年のリトルリーグ世界選手権で優勝。早稲田実高に入学し、甲子園では1年の夏に2本塁打を放ち、3年の春にも出場。1年生でU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)代表に選ばれ、3年生の17年は主将を務めた。高校通算111本塁打は歴代最多とされる。

 17年のドラフト会議では高校生最多に並ぶ7球団からの1位指名を受けた。右投げ左打ち。184センチ、102キロ。打席に入る際の入場曲は映画「スターウォーズ」のテーマ。父親の克幸氏はラグビー指導者で早大、サントリー、ヤマハ発動機で監督を務めた。清宮本人も幼少時にラグビー経験がある。

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