2005年8月末、大型ハリケーン「カトリーナ」が米国本土を直撃した。「ジャズの発祥地」ニューオーリンズの8割が冠水し、死者1800人以上という米史上最悪の自然災害となった。
「ニューオーリンズ住民の大半が黒人だからブッシュ大統領(当時)に見捨てられた」―。政府による救援活動の初動の遅れから、そんな不満が被災者からは噴出。カトリーナは、米社会が抱える貧富の格差や人種問題を改めて浮き彫りにした。
シリコンバレー兼ロサンゼルス特派員だった筆者は被災直後に現地入りし、遺体が放置され、腐敗臭漂うニューオーリンズを取材した。警官らとの行き違いから逮捕され、「jail」(留置所)に放り込まれるという得難い体験もした。
被災地で何があったのか。一人の記者がニューオーリンズや留置所で見たカトリーナ被災地の姿を書き起こしてみよう。
(時事通信社記者・新井佳文)
特集
コラム・連載