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ここがポイント! 空手の新ルール

形が採点制へ、女子組手は3分に

 2020年東京五輪で追加競技として初めて実施される空手は、今年からルールが変わった。主なポイントは二つある。1人で演武する「形」は、旗判定から採点方式へと大きく変更。対戦形式の「組手」は、女子の競技時間が従来の2分から男子と同じ3分に延びた。

 新ルールで行われた初めての主要国際大会、プレミアリーグの第1戦が1月25~27日にパリで行われ、東京五輪で複数の金メダルが期待される日本勢もトップ選手が参加。形、組手とも男女2人ずつが優勝し、五輪に向けて幸先の良いスタートとなった。大会の取材を通して、新ルールの特徴などを探った。【ロンドン特派員 長谷部良太】

◇形は審判5人→7人

 形は昨年まで、審判5人が赤または青の旗を揚げて勝敗を決めていた。新方式では審判7人が「テクニカル・パフォーマンス(技術点)」と「アスレチック・パフォーマンス(競技点)」を5.0~10.0の0.2点刻みで採点。それぞれ得点の上位二つと下位二つを外した中間の三つを足した上で、技術点は0.7、競技点は0.3を掛ける。満点は30点となる。

 技術点は基礎や技の正確性、競技点は力強さやスピードなどを採点。空手は伝統的に「スピードやパワーよりも技術が大事」という考え方があるため、技術点の割合がかなり大きい。「技術点7割、競技点3割」の基準自体は以前と変わらず、旗判定の際は審判が頭の中で計算していた。

 プレミアリーグのパリ大会では、8.0以上がつけば高得点という印象だった。9.0以上はほとんど出ず、合計23~25点程度が多かった。そうした中でも、男子で世界選手権3連覇中の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)は驚異的だ。決勝では喜友名に技術点で9.6、競技点で9.4をつけた審判も。合計26.92点は相手のウーゴ・キンテロ(スペイン)を1.92点も上回り、圧勝した。指導する佐久本嗣男氏はその演武について、持ち前の力強さに加え「粘りや味が出てきた」と高く評価する。

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