JR貨物の運行する貨物列車に、時事通信社の記者とカメラマンが添乗した。「東京貨物ターミナル駅」から「相模貨物駅」までの63.2キロを、ぴたり96分間で走った。この「定時運行」は貨物の長所で、熟練の技術を持つ運転士と「操車係」による息の合った連携で支えられている。到着駅でフォークリフトの操縦士が手際よくコンテナを積み下ろしする作業と合わせ、初めて報道公開する。(編集局社会部・榊原康益、同映像センター・入江明廣)
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1人で650トン
東京貨物ターミナルは、貨物列車の最も大きな駅で東京都品川区八潮に所在する。1973年に開業し、現在の広さは東京ドーム16個分の約75万平方メートル。近くに羽田空港と大井埠頭(ふとう)があり、鉄路に加え、空路と海路も交えた物流の結節点となっている。
コンテナを貨車に積んだり下ろしたりするホーム「荷役(にやく)線」は10本ある。1日に発着する列車は70本、平均して約5700個のコンテナを取り扱う。コンテナは、積載容量が5トンと10トンの他、冷蔵や冷凍、断熱の機能を有したものなどを豊富にそろえている。
貨車1両に5トンコンテナを5個積むことができ、最大の26両編成であれば1度に650トンを運べる。トラック業界の運転手不足が指摘される中、運転士1人で大量輸送できるのも強みの一つとなっている。
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