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「イスラム国」に人道支援を~中田元教授が会見~

政府の直接要請はない

 一問一答は次の通り。

 日本政府側から中田さんに何等かの接触はあったか。要請はあったか。イスラム国とのパイプはまだ健在か。

 日本政府からの要請は直接にはない。しかし、コンタクトはないわけではない。また、イスラム国のパイプについても、最初に申し上げたように、できる限りつなぐようにしてた。コンタクトが取れることは確認している。

 日本政府は、中東地域全体のコミュニケーション手段を持っているのか。かなり話をできる人がいるのか。それとも、ゼロから始めなくてはいけない状態なのか。

 それについて答えられる立場ではない。一般論として、私自身も2年間、サウジアラビアで、専門調査員という立場で大使館で働いた経験もしたので、日本には、アラビストというそういうシステムがあり、100人以上のアラブの専門家が働いている。その意味では、アラブに関する知識がないということは言えない。

 しかし、イスラム関係、イスラム主義、イスラム学の専門家に対するコネクションは非常に弱いということは残念ながら申し上げていいと思う。

 今回の人質事件とイスラムは直接、本当は関係ないと思う。私のムスリム教徒の友人が、彼らは傭兵ばっかりだし、敗者ばっかり。遠隔操作されているような人ばかりで、人間的な価値が全くないと、強く非難していたが、どう思うか。

 私はカリフ制というものを信じている。カリフ制というのは本来、イスラムが担っていく体制。その不在は、ある意味では間違っているということになる。当然、イスラム国もその一つであると、私自身は考える。

 (あなたの)友人の方がどういう方か存じないし、どういう根拠に基づいて言っているのか存じないので、コメントできない。私の今までのイスラム国の訪問は、私の友人たちを訪ねて行ったもので、私の友人たちは、そういう方ではない。イスラム国に加入する前は、普通の人よりも正直で教養も高い人たちだった。知らない人については何も言いようがない。

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