ここからは、私個人の提案。
安倍首相が言った通り、日本はイスラム国と戦う同盟国に援助するが、これはあくまでも人道援助に限られるという論理はイスラム国に対しても適用されるべきだと思う。
これまでも人道援助、経済援助の名の下で、アフガニスタンやイラクで日本や国際社会は多くの援助を行ってきたが、それが適切な人々に届いていなかった。特にスンニ派のイスラム主義と言われる人は非常に扱いが悪かった。そういった怨嗟が今回の事件の根源にある。
現在のイスラム国の前身は、イラクのスンニ派のイスラム運動。彼らは、アメリカによって攻撃されたことを体験として覚えている。彼らを含めてほとんどのイラク人はサダム政権が倒れた時、アメリカを歓迎していた。それが、数カ月で反アメリカに変わった。
それは、空爆その他でたくさんの人々、女性と子どもが殺され、これに対して全く補償がされていないためだ。現在、それが繰り返され、イスラム国が行政の責任を持っている地域で、多くの人が殺されている。
国際赤十字、中東地域では赤新月社といわれる組織が、イスラム国の支配地域でも人道活動をしていると聞いている。
イスラム国が要求している金額は、あくまで日本政府の難民支援と同額ということだ。したがって、難民・人道支援に限るという条件を課した上で、トルコを仲介役とし、赤新月社を通じて(イスラム国の支配地域の)シリアやイラクで犠牲になっている人、その家族の支援を行うのが、合理的。どちらの側にも受け入れられるぎりぎりの選択だと思う。
日本では大きく報じられてないが、1月にイスラム国はヤジディ教徒350人を無償で人道目的で解放している。これも一つのメッセージだと思う。
これから、イスラム国にいる私の古い友人たちへのメッセージを伝えたい。
日本政府に対してイスラム国は、考えを説明し、提案を行ったと思うが、72時間は時間が短かすぎる。もう少し待っていただきたい。もし交渉ができるのなら、私自身がイスラム国に行く用意がある。1月17日にヤジディ教徒350人が人道目的で解放されたことは、高く評価でき、印象も良くなっている。日本人を釈放することがイスラム、イスラム国のイメージを良くする。私も、望んでいる。日本にいるすべてのイスラム教徒もそれを望んでいる。
新着
会員限定