世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスが2013年、第100回を迎える。約3週間でフランスを一周する過酷なレースに1996年、日本人として戦後初めて出場した今中大介さんにその魅力について聞いた。
―今中さんがツール・ド・フランスを知ったのはいつ頃ですか。
スポーツタイプの自転車が欲しくて眺めていた雑誌にあったツールの特集を見て「こんな世界があるんだ」と。中学生の頃です。
―いつ競技を始めたのですか。
僕は予備校に2年行ったんですよ、2浪しまして(笑)。その予備校に自転車に乗っている友人がいて、一緒に百何十キロと地元の広島あたりを走っていたんです。その彼が「レースに出る」と。で、市民レースに出たのが競技の最初です。
―そして大分大学時代にのめり込んだ。ツールへの意識はありましたか。
大学ではパワーリフティング部に入ったんですが、それをしながら県の連盟のレースにも出たら、そこから声を掛けていただいて。自転車を10台ぐらい貸していただき、下宿の1年生を勧誘してサークルを始めたんです。ツールなんて想像もできませんでした。
―大学院にも行かれていますが、時間はあったのですか。
大学院も本当に勉強するつもりで行ったんですけど。教授にも「もう自転車はやめろ」と言われて、最初は我慢してたんですけども、やめられなくって続けてました。今でも単位が足りないとか、論文どうしようとか、そういう夢を見ます(笑)。
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