日米通算4367安打を放ち、数々の金字塔を打ち立てた米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(45)=本名鈴木一朗=が2019年3月21日、東京ドームでのアスレチックス戦終了後、現役引退を表明した。深夜に隣接するホテルでユニホーム姿のまま記者会見に臨み、「最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことは大変幸せ。きょうの(盛り上がった)球場での出来事、あれを見せられたら後悔などあろうはずがない」と晴れ晴れとした表情で語った。会見は独特の「イチロー節」で、1時間20分以上に及んだ。
(報道陣が)こんなにいるの?びっくりするわ。
いや、この遅い時間にお集まりいただいてありがとうございます。
きょうのゲームを最後に日本で9年、アメリカで19年目に突入したところだったんですけど、現役生活に終止符を打ち、引退することとなりました。
最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことを大変幸せに感じています。
この28年を振り返るにはあまりにも長い時間だったので、ここでまあ一つ一つ振り返ることは難しいこともあって、ここではこれまで応援していただいた方、球団関係者、チームメートに感謝を申し上げて、みなさんからの質問があれば、できる限り、お答えしたいというふうに思っています。
―現役生活に終止符を決めたタイミング、理由は?
タイミングはですね、キャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日前ですかね。何日前とはっきりとお伝えできないんですけど、終盤に入ったときです。もともと、日本でプレーする、今回東京ドームでプレーするところまでが契約上の予定でもあったこともあったんですけど、キャンプ終盤でも結果を出せずに、それを覆すことができなかったということです。
―後悔や思い残したことは?
いや、きょうのあの球場での出来事(盛り上がり)、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません。もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと、人よりも頑張ったとはとても言えないですけど、自分なりに頑張ってきたことははっきりと言えるので、これを重ねてきて、重ねることでしか、後悔を生まないということはできないんではないかなというふうに思いました。
―子供たちが見ている。メッセージを。
メッセージかあ。苦手なものだな、僕が。野球だけでなくてもいいんですよね。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければ、それに向けてエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思う。それが見つかれば自分の前に立ちはだかる壁にも向かっていける、向かうことができると思う。それが見つからないと壁が見つかると諦めてしまうことがあると思う。いろんなことにトライして、自分が好きなものを見つけてほしいと思う。
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