2014年秋、昼下がりの都内某所。「主夫」を名乗る男性が5人ほど集まり、「秘密結社 主夫の友」なるチームを立ち上げた。政府が「2020年までに女性管理職比率を3割にする」との目標を掲げたことに対抗し、「だったら2020年までに日本の男性の3割を主夫にしなければ」と活動を展開。徐々に仲間を増やしているらしい。その妙な組織の「入社説明会」が開かれると聞き、見学に行くことにした。
「秘密結社」というわりには、交流サイト(SNS)などで告知文が広く流されていた。それによると、説明会のメーンイベントは、主夫たちによる「トークライブ」。主夫歴1-18年の「専業主夫」と「兼業主夫」計7人が参加し、「主夫生活のリアル」を語るらしい。
本音を言えば、自分は「主夫」や「イクメン」といった男性の動向には、あまり興味が無い。「他人の旦那さん」が家事や育児をしようがしまいが、それはどうでもいいことだ。たとえ日本の父親の99パーセントが家庭を顧みないとしても、自分の夫さえ家事をやってくれていれば、それでいい。
そもそも今や、「夫が主に家事をする家庭」など珍しいものではないだろう。「妻の方が忙しい」「妻の料理が悲惨」「妻が怖い」など理由はそれぞれに違うが、筆者の知人にも「家事をするのは主に自分」という男性が何人もいる。
ただ、そういう男性の中でも、自ら「主夫です」ときっぱり言う人は少ないように感じる。主夫たちは、何をきっかけに主夫を名乗るようになったのかー。少し興味が湧いてきた。そしてまた、7人もの主夫が集まるのを見るのは初めてだ。彼らはよってたかって何を語るのか。やはり妻の悪口かー。そんな疑問を胸に説明会に赴いた。(時事通信社・沼野容子)
新着
会員限定