各国歴代最強イレブン

デンマーク

 ワールドカップ(W杯)には1986年大会が初出場となった。この時のチームは各ポジションに力のある選手をそろえ、1次リーグでスコットランド、ウルグアイ、西ドイツに全勝。初陣ゆえの脇の甘さを突かれて決勝トーナメント1回戦でスペインに1-5で逆転大敗したとはいえ、「デイニッシュ・ダイナマイト」の異名を取ったチームは、過去2度優勝のウルグアイを6-1で粉砕。その攻撃志向の姿勢と、ダイナミックなプレーぶりで世界のサッカーファンを驚かせた。84年の欧州選手権でも4強。この時期のデンマークが残したイメージは強烈だった。

 その余勢を駆り、資格停止処分を受けたユーゴに代わって急きょ出場した92年の欧州選手権で優勝。98年のW杯でも8強に残った。この80-90年代が、これまでのデンマークで最も輝いていた時期だろう。最強イレブンを選ぶ上でも、この頃の主力選手が選考の軸になる。

 それ以前の選手では大戦を挟んだ時期に活躍した左ウイングのプラエスト、77年の欧州最優秀選手に選ばれたMF兼FWシモンセンの名前が挙がる。プラエストは48年ロンドン五輪で母国の銅メダル獲得に貢献。47年の欧州選抜ー英国選抜の親善試合などで高いテクニックを披露してファンを驚かせた。シモンセンは北欧選手とは思えない165センチの小柄。それでも、テクニックとスピードを生かしたドリブル突破などで相手守備陣を苦しめ、ドイツやスペインのリーグでも活躍した。残念なことに、84年欧州選手権では初戦で足を骨折。他のメンバーが充実していた86年W杯は既に現役の晩年で1試合の出場に終わった。

 「最強イレブン」の他の候補者は86年の代表が中心となる。リベロのモアテン・オルセン、MFのレアビー、攻撃的MF兼FWのミカエル・ラウドルップ、FWエルケーアはいずれもワールドクラスの選手だった。M・オルセンは84年ユーロ、86年W杯で大会ベストイレブンに推す人が多かった。ベッケンバウアーの流れを引く「華麗なディフェンダー」のタイプで、危険地帯を的確にカバーすることに加え、機を見て攻撃につなげる能力も高かった。日本の若いファンには、2010年W杯で日本が対戦したデンマークの監督としてお馴染みのはずだ。

 レアビーはパワフルなタイプのMF。下がった位置で強力な守備を見せたかと思えば、長いパスを送って攻撃を組み立てる。左足から繰り出されるシュートやFKは威力満点で、相手GKは長い距離でも決して気が抜けなかった。

 M・ラウドルップとエルケーアは、86年W杯屈指のFWコンビ。M・ラウドルップはボール保持能力が高く、得点に絡む巧みなパスやドリブルで相手を揺さぶった。そのドリブルは足に吸いつくと形容されたほど。エルケーアは思い切りのいいストライカータイプ。ゴール前への迫力ある飛び出しや、強烈なシュートを持ち味とした。闘志を前面に出した表情も迫力十分で、この大会ではウルグアイ戦でのハットトリックを含む4ゴール。チームがもう少し勝ち残れば、得点王も可能だったはずだ。

 86年のメンバーでは、右サイドからの攻めで貢献したMFアルネセン、小柄なテクニシャンJ・オルセン、強い守備を見せたDFイバン・ニールセンらも印象に残る。

 92年ユーロの優勝メンバーでは、屈指のGKシュマイケル父の存在が守備面で大きな安定感をもたらした。大柄な体を生かして好守を連発し、リーダーシップも発揮した。90年代には世界最高のGKの1人として君臨。マンチェスター・ユナイテッドでも大活躍した。92年の代表では、ミカエルの弟ブライアン・ラウドルップや前線のポウルセン、中盤でチームを支えたビルフォートや、DFハインツェらも光った。

 8強まで残った98年W杯では、兄のM・ラウドルップが攻撃的MFとしてパスを供給し、前線の弟B・ラウドルップらがゴールを狙った。シュマイケルを含めた3人の軸がしっかりしていたため、準々決勝のブラジル戦(2-3)も勝機のある展開になった。

 その後のチームでは、10年W杯にも出場した点取り屋のトマソン、攻撃的MFロンメダル、DFのラウルセンらが強い印象を残した。この他、80-90年代にリバプールなどでMFとして活躍したミュルビー、70-80年代にドイツでプレーしたFWバストルップらも記憶に残る選手たちである。

 近年の代表では攻撃的MFエリクセンがチームの要。18年W杯予選では11ゴールを重ねてチームを予選突破へと導いた。偉大な父を持つGKシュマイケルJr、FWベントナーらも実績を重ねている。

 【最強イレブン】
 ▽GK シュマイケル父
 ▽DF M・オルセン、ラウルセン、ヘルベク
 ▽MF レアビー、アルネセン、プラエスト、シモンセン、M・ラウドルップ
 ▽FW B・ラウドルップ、エルケーア
 〔控え〕▽GK ラスムセン▽DF L・オルセン、ハインツェ▽MF ミュルビー、エリクセン▽FW トマソン、ポウルセン

特集

コラム・連載

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ