90年ごろから、オランダは間断なく好選手が生まれる国になった。FWと攻撃的MFには、ベルカンプを筆頭に、クライファート、ファンニステルロイ、ファンペルシーらが実績を重ね、ウイングではオフェルマルス、ロッベンらが育った。MFも人材豊富なポジション。セードルフ、ダービッツらがクラブと代表で活躍を続け、近年はスナイダーが中盤のエース。後年サイドバックに回ったファンブロンクホルストやコク、ファンボメルも守備のユーティリティー選手として出場を重ねた。DF陣としてはフランク・デブールやスタムが力を発揮した。
この中で特別な存在とすれば、ベルカンプとF・デブールだろう。ベルカンプは79試合に出場して37得点。得意のドリブル突破に加えて好機に前へ飛び出す瞬発力とシュート力を備え、イングランドのアーセナルなどでも活躍した。後方からのロングパスに巧みなトラップを見せて相手守備を外して決めた1998年W杯準々決勝のアルゼンチン戦の決勝ゴールは、この大会の名シーンの一つとなった。飛行機嫌いで遠征試合を数多く欠場することがなければ、出場試合数、得点数も大きく伸びていた。
F・デブールは94、98年のW杯で主力となるなど、長くオランダ守備陣の中心として活躍した。代表歴は112試合。冷静に安定した守りを続けて味方の信頼が厚く、左足から繰り出すパスはよく攻撃の起点になった。
98年W杯でオランダの4強入りに貢献したクライファートは代表最多の40得点。190センチ近い長身ながら柔軟さ、ボール扱いの巧みさを持ち、狭い地域でも相手をかわしてゴールに迫った。2000年の欧州選手権では得点王に。20代半ばから故障が増えてしまったのが惜しまれた。
その後にエースFWとなったのがファンニステルロイ。こちらも大型なのにボール扱いもうまく、どんな形からでもシュートに持っていけるタイプだった。ファンペルシーは多彩なシュート力を生かしてダイナミックなプレーをする。
オフェルマルスは左右どちらのウイングもこなし、ドリブル突破を生かして94、98年のW杯などで活躍した。しかし、そのオフェルマルスでもロッベンのスピードにはかなわない。切れ味鋭い高速ドリブルは効果満点で、単独でチャンスを広げて決定的な場面をつくることができる選手。いったんスピードに乗ると、相手は反則で止めるしかなくなる。故障を抱えていた2010年W杯では、ロッベンがスタメンに戻ると明らかにチームが変わり、もう一歩で初優勝というところまで迫った。14年W杯ではロッベンの切れ味鋭いドリブル突破を攻撃の生命線とし、ファンペルシーの決定力を絡めて3位の好成績を勝ち取った。
セードルフ、ダービッツ、コクはほぼ同じ時期に中盤を担った。いずれもよく動いて攻守に持ち味を発揮した。セードルフは肉体的な強さと攻撃センスを兼ね備え、ダービッツは旺盛な闘争心で相手に競り勝った。コクはサイドバックからFWまでこなすユーティリティー性を発揮して代表100試合を突破。10年W杯の主将だったファンブロンクホルストも守備的MFでもサイドバックでも前に仕掛けた。ファンボメルも中盤の底で激しい守備を繰り返した。
10年W杯のエースMFはスナイダー。素早い状況判断からパスやシュートを繰り出し、10年の日本戦では強烈な右足弾で決勝ゴール。珍しいヘッドで決めたブラジル戦の得点も印象深い。
最後に、けがでW杯出場を逃した名選手を2人。カイザーは70年代前半に欧州を席巻したアヤックスの左ウイングで、クライフと並ぶチームの中心選手だった。フルスホフは当時のDF。大柄で強い上にポジショニングや読みも良く、世界最高のストッパーの1人に数えられていた。2人がいれば、74年のオランダはさらに強力なチームになっていた。
【オランダの歴代最強イレブン】
▽GK ファンデルサル
▽DF シュルビア、R・クーマン、ライカールト、クロル
▽MF ニースケンス、フリット、クライフ、ベルカンプ
▽FW ファンバステン、ロッベン
▽控え ファンブロイケレン(GK)、フルスホフ、F・デブール(DF)、セードルフ、ファンハネヘム(MF)、レンセンブリンク、クライファート(FW)
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