スペインが生んだ最高のストライカーとして、現在の黄金時代につなく役割を果たしたのがラウルだ。レアル・マドリードの一員として17歳で国内リーグにデビュー。代表は96年から通算102試合に出場し、最多の44ゴールをマークした。自ら得点するだけでなく、優れたパスセンスも生かしてチャンスメークでも力を発揮した。W杯での活躍度ではブトラゲーニョに及ばないものの、世界の強豪国の中でストライカーが力不足気味だったスペインにあっては、世界に誇れるFWと言える。モリエンテスはその前線のパートナーとして27ゴールを奪った。
GKカシリャス、DFプジョル、MFシャビは2000年に代表でデビューし、着実に経験を積んでその後の成功につなげた。代表戦100試合を超えたカシリャスは安定感が抜群。プジョルは178センチと大柄ではないのに、体を張った力強い守備で相手をはね返す。闘志あふれるプレーが売り物だ。10年W杯準決勝のドイツ戦でマークした決勝ゴールも印象深い。小柄なシャビは冷静に中盤を操り、相手の守備の穴を突くパスは威力満点だった。
シャビアロンソ、ビジャも同じ世代。シャビアロンソは中盤の底から送る力強いパスが売り物。ビジャは10年W杯でチーム最多の5得点。相手のスキを逃がさない動きの素早さ、抜け目のなさが光り、ペナルティーエリア内での勝負強さは抜群。ポルトガル戦、パラグアイ戦の決勝ゴールなど、貴重な得点を重ねて初優勝に大きく貢献した。
この下の年代にも好選手が次々に生まれた。MFイニエスタは10年W杯決勝のオランダ戦で、延長の死闘に決着をつける殊勲のゴールを奪った。キープ力があるため、密集でもボールを保持することができ、味方への的確なパス、自らのドリブル突破と、状況に応じたプレー選択で相手ゴールへと迫る。シャビ、ビジャとともに攻撃の中心となって初の世界制覇を現実のものとした。
10年W杯でプジョルとセンターバックを組んだピケも力強い守備で優勝に貢献した。特に、準決勝のドイツ戦、決勝のオランダ戦で相手の攻撃をはね返した守りが印象に残る。プジョルが去ってからはセルヒオ・ラモスとのコンビで高水準の守備を維持している。セルヒオ・ラモスもゴール前で勝負強く、実に頼りになる存在だ。
中盤の底からチーム全体を支える存在として君臨したのがブスケツ。チャンスメーカーとして躍動するダビド・シルバやイニエスタらの動きをバックアップした。
スピードを生かして一気にゴール迫ったFWフェルナンド・トレース、MFのセスクらも持ち味を発揮してチームの躍進に貢献した。
チームは連覇を狙った14年W杯で1次リーグ敗退を喫し、18年W杯もベスト16止まり。長くチームをけん引したイニエスタらが一線を退き、新たな黄金世代の台頭を待つ状況になった。
【スペインの歴代最強イレブン】
▽GK サモラ
▽DF セルヒオ・ラモス、プジョル、イエロ、カマーチョ
▽MF グアルディオラ、シャビ、イニエスタ、スアレス
▽FW ビジャ、ラウル
▽控え カシリャス(GK)、ピケ、マセダ(DF)、ミッチェル、ヘント(MF)、ブトラゲーニョ、フェルナンド・トーレス(FW)
特集
コラム・連載