GKとセンターバックは、イングランドが世界的な名手を数多く生み出したポジションだ。安定感と確実性でバンクスに及ばないとしても、後継者だったシルトンやクレメンス、シーマンらも世界屈指のGKだった。シルトンは40歳で臨んだ90年W杯で4強入りに貢献。キャリアの長さではバンクスを上回る。18年W杯ではピックフォードが好セーブを連発してヒーローの1人になった。
66年W杯でムーアと守備ラインの中央を組んだジャッキー・チャールトンはボビーの兄。当時としてはかなり大柄な187センチの長身で、空中戦に強く、この点でムーアをよく補った。70年代のセンターバックではマクファーランドが守りの総合力を発揮し、その後もブッチャー、ウォーカー、マーク・ライト、アダムズ、キャンベル、リオ・ファーディナンド、テリーらと、まさに多士済々の感がある。アダムズの安定感、ウォーカーの柔軟さ、キャンベルやファーディナンドの強さは印象深い。58年の航空機事故で犠牲になった元マンUのエドワーズが健在なら、62年や66年のW杯でイングランドの守り、守備から攻撃への切り替えは、数段レベルアップしていただろうと言われる。18年W杯では視野の広いストーンズ、高さと強さのマグワイアらが将来性を感じさせた。
守備的なMFでは80-90年代のブライアン・ロブソン、近年のジェラードが双璧だろうか。82年W杯のフランス戦で最速ゴールを記録したロブソンは、労を惜しまないエネルギッシュなプレーを続けた。あふれる闘志ゆえに故障が多く、世界大会で欠場が目立ったのが残念。ジェラードも精力的なプレーが光り、スケールが大きい。どんなポジションでもしっかり守り、攻めては強シュートが売り物だった。しつこいマークに定評のあった66年W杯優勝のスタイルズ、堅実かつ柔軟だった90年代のインスも存在感のある守備的MFだった。
ブラジルやドイツの名手ほど攻撃的ではないものの、サイドバックには代表歴の長い選手たちが多い。右では66年優勝監督のラムゼー、62年W杯で活躍したアームフィールド、66年W杯代表のコーエン、70年代のニール、80年代のアンダーソン、最近のガリー・ネビルらが代表的な存在。18年W杯ではトリッピアーが攻守に奮闘。正確なキックでセットプレーの好機でも貢献した。左は戦前の名手ハプグッド、62、66年W杯で本領を発揮したウィルソン、70年代のヒューズ、80年代のサンソム、90年代のピアース、近年のアシュリー・コールが数多く代表歴を重ねた。伝統的にウイングを置かないスタイルで戦うことが多かったため、攻撃面でも重要な役目を担った。70年W杯ではクーパーが高い評価を受けた。
【イングランドの最強イレブン】
▽GK バンクス
▽DF アームフィールド、B・ライト、ムーア、ウィルソン
▽MF ジェラード、マシューズ、フィニー、B・チャールトン
▽FW オーウェン、リネカー
▽控え シルトン(GK)、エドワーズ、アダムズ(DF)、キーガン、Br・ロブソン、ベッカム(MF)、グリーブス(FW)
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