各国歴代最強イレブン

イタリア(1)

 ブラジルとは対照的に、守備を重視した「カテナチオ」の国。まずは守備を固め、いい形でボールを奪うと、ここぞとばかりに鋭い速攻を仕掛ける。それが伝統だ。

 守備重視の国とあって、最強イレブンも後方から考えてみたい。まずはGK。W杯優勝を経験しているキーパーが4人おり、この中から選ぶのが妥当だ。

 4人とは34年優勝のコンビ、38年のオリビエリ、82年のゾフ、2006年のブフォンだ。いずれも活躍した期間も長く、それぞれの時代に世界的なGKとして君臨した。

 その中でも、やはりゾフの印象が強烈だ。82年大会では40歳の主将。ブラジル戦で見せた勇敢な守備は、ハットトリックをマークしたロッシの活躍とともに、下馬評を覆す勝利の大きな原動力となった。押し込まれた試合終盤、主将として最後尾からチームを鼓舞し続けた姿も忘れられない。所属のユベントスでも長くゴールを守り続けた。

 純粋なGKとしての総合力はブフォンに軍配が上がるかもしれない。実際、サイズやリーチはブフォンがかなり上回っている。加えて、ゾフは74年、78年のW杯で、何度か手痛い失点を主にロングシュートで喫している。それでも、チームを支えた精神力やカリスマ性は抜群。一方、ブフォンが最後尾を担った代表チームは18年W杯で60年ぶりの予選敗退を喫した。やはり最終的にはゾフの方を推したい。

 DF陣も名選手の宝庫だ。センターバックでは82年優勝時のリベロで、引退後に交通事故で不慮の死を遂げたシレア、読みとポジショニングに優れ、80-90年代にかけてイタリア代表とACミランの守備ラインの最後尾に君臨したバレージ、06年W杯で完璧な守備を見せて優勝の大きな要因となったカンナバロの名前が挙がる。

 0-0に終わった94年W杯決勝で、日本のテレビ解説を務めた加茂周さんが「いやあ、バレージの守りを見ているだけで楽しいですね」と語ったのが印象深い。この大会、バレージはひざを痛めて手術し、決勝の舞台で復帰。そこで完璧な守りを見せた。3人ともどちらかと言えば小柄なのに、集中力と読みが抜群。06年のカンナバロも大会を通じてミスらしいミスがなく、出色の出来だった。

 このほか、82年に18歳でW杯制覇を経験し、長く最終ラインに君臨したベルゴミ、しつこく強烈なマークを身上とした82年の優勝メンバー、ジェンティーレ、90年代のコスタクルタ、大型ストッパーのネスタ、82年のコロバティも印象に残る。40-50年代に活躍したパローラを史上屈指のストッパーと評す声もある。最終ラインの守備ユニットとしては、90年W杯のベルゴミ、バレージ、フェリ、マルディーニが最も安定感があったと評価する人は少なくない。

 左サイドバックは、センターもこなし、4度のW杯でレギュラーだったマルディーニが絶対的な存在。同じポジションには60-70年代に代表とインテル・ミラノの守りの象徴だったファケッティもいる。ただ、70年W杯決勝で、ファケッティがジャイルジーニョに揺さぶられてしまった点を考え、マルディーニを選ぶ。左サイドでは82年優勝メンバーのカブリーニも、積極的な攻撃参加が光る好選手。攻撃的な者を左に置き、右には守備力を重視した選手を配置する布陣がイタリアでは多い。

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