各国歴代最強イレブン

ブラジル(2)

 中盤では、パスとセットプレーを得意としたジーコ、58年W杯で組み立て役となったジジ、70年W杯で長めのパスを駆使して攻撃に貴重なアクセントをもたらしたジェルソン、82年W杯でジーコとの名コンビが光ったソクラテスらに加え、左利きでウイングもこなしたリベリーノ(70、74、78年W杯代表)とザガロ(58年W杯優勝)、2002年W杯優勝メンバーのロナウジーニョとリバウド、カカらが候補になる。この中で、抜群のパスセンスに加え、ゴールも量産したジーコ、多彩な攻撃陣を操り、FKの名手でもあったジジは外せない。

 ジーコのパスは意外にもシンプル。ただ、ボールの出てくるタイミングや角度が絶妙だった。経歴面のマイナスはW杯優勝を果たせなかったことか。ジジは多彩なパスを駆使し、回転をかけて大きく曲がるFKの先駆者でもあった。

 リベリーノは74、78年W杯では中盤の中心としてゲームを組み立てた。こちらもFKの名手で、74年W杯の東ドイツ戦で壁の間をすり抜けるシュートを決めた時は、世界中が驚いた。

 近年ではロナウジーニョとカカ、リバウドらが最盛期にまぶしい輝きを見せた。ロナウジーニョはボールを巧みに操って相手攻撃陣をほんろうし、再三魔術のようなプレーを見せた。カカは優れたテクニックとプレースピードの速さを併せ持つタイプ。ブラジルの中では欧州型の選手と言える。2人には、最高のプレーレベルをもう少し長く維持・継続してほしかった感じがする。

 ブラジルは守備的なMFでも攻撃センスにあふれる名手が多い。58年W杯のジト、70年W杯のクロドアウド、70-80年代のトニーニョ・セレ―ゾ、82年W杯のファルカンらは多彩な能力を誇った。ジーコ、ソクラテス、セレーゾ、ファルカンで組んだ82年W杯の「黄金の中盤」は、少しばかり攻撃志向が強過ぎたということか。一方、その後のドゥンガ、マウロ・シルバらはより堅実である半面、攻撃センスで見劣りがする。18年W杯ではコウチーニョが非凡なパス能力で好機を演出した。

 サイドバックの攻め上がりはブラジルサッカーの代表的な側面で、多士済々だ。右では50-60年代の名手ジャウマ・サントス、強烈なオーバーラップを得意とした70年W杯主将のカルロス・アルベルトに、ネリーニョ、レアンドロ、ジョジマール、ジョルジーニョ、カフー、マイコンらが続く。左も50-60年代のニウトン・サントスが高い評価を集めると、70年代のフランシスコ・マリーニョ、80年代のジュニオール、80-90年代のブランコ、強烈なキックで知られたロベルト・カルロスらが後継を担っている。

 ブラジルのサイドDFには伝統的にシュート力のある選手が多く、カルロス・アルベルト、ネリーニョ、ジョジマール、マイコン、ブランコらはW杯で、他の選手ではまねできないような印象的なゴールも決めている。ジュニオールは総合的な能力を生かし、その後はMFの中心的な存在として、86年W杯ではアレモンらと攻撃を組み立てた。近年では右のダニエウ・アウベス、左のマルセロがクラブレベルを含め、実績を重ねている。ダニエウ・アウベスは残念ながらケガで18年W杯を欠場。マルセロは攻撃参加に圧倒的な存在感を示す一方、ロベルト・カルロス同様に守備の意識は高くない。

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