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だからサッカー・ドイツ代表が嫌いだった~最強チームへの敬意を込めて

独走の予感も

 ブラジルやイタリアが課題をかみしめ、ドイツのような変革を進めない限り、東の横綱と、西の横綱ブラジル、張出横綱のイタリアの差が拡大していく可能性も十分にあるだろう。特に施設の老朽化が目立つイタリアは退潮ムードが広がる国内リーグを改善しないと横綱の地位が危うくなるかもしれない。

 ブラジルは強化方針がいつも場当たり的だし、アルゼンチンはメッシやハビエル・マスケラーノが抜けた後は苦しい時代を迎えそうだ。代表チームに対する国内の関心が高まり、最近の国際大会で上位の常連となったスペイン、育成に定評のあるフランスがどう迫っていくか。

 国内リーグの隆盛が続くイングランドはようやく重い腰を上げ、近年若年層の強化に力を入れ始めた。17年の17歳以下(U17)ワールドカップで初優勝を果たし、効果の一端が表れた。それでも、かつての宿命のライバルははるか先を行く。再び好敵手と呼ばれる関係になるには、まだまだ課題が山積み。国内の人気、注目に支えられるこの国は、少し活躍した選手が盛んにマスコミなどで持ち上げられ、真の大選手まで成長し切れない(その状況はわれわれの身近にあるある国にも似ている)。筆者が死ぬまでにイングランドのW杯制覇を目撃できる可能性はまだまだ見えない。

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