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だからサッカー・ドイツ代表が嫌いだった~最強チームへの敬意を込めて

特定個人に依存しない層の厚さ

 人材が次々に生まれる現在のドイツでは特定の選手への依存度が決して高くない。選手層が抜群に厚く、A代表チームが2つつくれるような陣容だけに、よく知られたビッグネームがけがや出場停止で欠場しても、交代で入る選手もレベルが高く、大きな戦力ダウンにはならない。

 ブラジルがエースのネイマールを前面に出して悲願の金メダルを獲得した16年リオデジャネイロ五輪に、ドイツはW杯の経験のない次のレベルの選手を数多く送り込み、銀メダルを手にすると同時に、その選手たちにも大きな経験を積ませた。17年のコンフェデレーションズ杯も同様。今後A代表の主力となり得る若手選手たちを主体に、メキシコやチリを破って初優勝を遂げた。

 W杯や欧州選手権でなくても、五輪やコンフェデ杯で活躍すれば選手たちには大きな自信になる。こうしてA代表の主力たちと、いつ入れ替わってもOKという下地が出来上がっていく。A代表の主力たちにとっては、クラブでの激しい戦いの疲れを癒やすことができる一方、下からの突き上げで安心はしていられない。他国にとってうらやましいとしか言いようがない好循環が生まれている。連盟はぶれない強化方針で、そんな流れを主導している。

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