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だからサッカー・ドイツ代表が嫌いだった~最強チームへの敬意を込めて

訪れた心境の変化

 ただ、サッカードイツ代表に長年の恨みを募らせてきた筆者に、近年少しばかり心境の変化が生じてきた。理由は実に単純なことだ。選手の技術レベルが上がり、サッカーの質が大きく向上してきたと感じるからだ。

 14年W杯。筆者はリオネル・メッシが王様になる姿が見たかったため、決勝ではアルゼンチンを応援した。しかし、準決勝のドイツ-ブラジルは、ドイツの勝利を願っていた。ドイツが7-1と圧倒する勝利を、「してやったり」という思いで見詰めていた。筆者がW杯でドイツの勝利を望んだのは、おそらくまだ自分が改宗前の「ドイツ信者」だった78年大会以来だろう。

 14年W杯でドイツは大会のベストチームだった。質の高いプレーをして勝ってくれるのなら、文句はないのだ。「またドイツかよ」とは思っても、納得はいく。その勝利には文句のつけようがない。より良質なサッカーをするチームや長年の苦闘を経てようやくはい上がってきたチームを、体力や精神力、PK戦という特殊な手段や強運でねじ伏せるから、他国のファンから反感を買う。質の高いサッカーをして頂点に立つのなら、好き嫌いは別として敬意を持つことはできる。14年大会は、ドイツが大会のベストチームとして文句のないW杯制覇を遂げた、初めての大会であったと思う。

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