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だからサッカー・ドイツ代表が嫌いだった~最強チームへの敬意を込めて

受け継がれる自信

 逆にPK戦に強いドイツは冷静にサイドネットを揺らす選手の何と多いことか。PK戦ではないが、74年W杯決勝で、22歳のブライトナーがプレッシャーのかかる場面で自らキッカーを買って出て、左スミに同点ゴールを決めたシーンも筆者の中では強烈な印象を放っている。PK戦でチェコに敗れた76年欧州選手権決勝もあったが、82年W杯準決勝のフランス戦のように試合内容で劣っていてもPK戦に持ち込んで立場を逆転させてしまう。先輩たちのそんな姿を幼少期から見ていれば、「自分たちも大丈夫」と自信が持ててしまうのだろう。

 とはいえ、しょせんは試合内容とは全く別の「ゲームのようなもの」。本来は勝率5割に近づいていってもおかしくない制度で毎回のように「勝って」いれば、他国のファンは面白くない。「チェ、またドイツかよ」というわけだ。筆者が「ドイツのサッカーには大きな貸しがある」と憤っているように、こういう国は世界のファンから恨みを買う。ドイツのサッカーに釈然としないものが残るのは、サッカー自体は大したことがないのに、手段を選ばずに良質なチームを封じ込め、どさくさ紛れに勝ち進んでしまうのが多いためだ。

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