だからサッカー・ドイツ代表が嫌いだった~最強チームへの敬意を込めて

「最強」ハンガリー破る

 一方、横綱相撲しか頭になかったハンガリーは厳しい相手との連戦となり、「ベルンの戦い」と呼ばれることになったブラジル戦を4-2で乗り切り、準決勝では前回優勝のウルグアイを延長の末に4-2で制して決勝へ。ウルグアイもフアン・スキアフィーノら名手を擁する好チームで、この準決勝はW杯史上に残る名勝負だったといわれる。

 迎えた決勝。激闘の連続で消耗し、1次リーグで負傷したプスカシュが万全でなかったにもかかわらず、ハンガリーは立ち上がりの9分で2点を先行した。しかし、雨で濡れたピッチに持ち味を奪われて次第に勢いを失い、西ドイツが3点を奪って逆転。その後、プスカシュがネットを揺らせた場面は不可解にも同点ゴールが認められず、西ドイツが「奇跡の優勝」を果たす結果になった。これでハンガリーの国際試合の連勝は33で止まった。

 西ドイツの優勝は、第2次大戦に敗れた国民を大いに勇気づけた。当時のアデナウアー首相が、スイス国境まで出迎えて優勝チームをたたえたほどだ。筆者は中学生のころ、そのエピソードを知り、スポーツの持つ力の大きさに感動したが、後にハンガリーがどれほど素晴らしいチームだったかを知るにつけ、やはりハンガリーが勝つべきだったと考えるようになった。

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