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 フランス・ワイン、銘醸の地を訪ねる

芳醇な白ワインーアルザス

 レイルヨーロッパで購入したパスを再び使い、ボーヌから鉄道を乗り継いでアルザスの中心都市ストラスブールへ。宿泊は、ホテル「ボクール・ボーマン」。アルザス風の家具やベッドで統一された室内はメルヘンチックだ。

 アルザスはフランス北東部、ライン川を隔ててドイツと国境を接している。西のボージュ山脈が寒気と湿気を遮り、日照時間の多さがブドウの生育に適した環境となっている。アルザスワインは、単一のブドウ品種から造られる。栽培されているのは、白ワイン用がリースリング、ゲブルツトラミネール、トケイ・ピノ・グリ、ミュスカ、シルバネール、ピノ・ブランの6種。赤ワイン用がピノ・ノワール1種。生産全体の9割が白ワイン。

 南北に約100キロ続くアルザスワイン街道。ストラスブールの西20キロにワイナリー「カーブ・デュ・ロワ・ダゴベール」がある。建屋内には、5610キロリットルの大きなタンクがずらりと並ぶ。タンク内は10度前後に保たれているという。従業員が、タンクから白濁したワインをグラスにそそぎ、チェックしていた。

 ブドウ畑に囲まれたニーデルモルシュビル村は、人口500人で20家族がワイン農家。ワイナリー「バン・ダルダス・ジュスタン・ボクスレー」は、1672年から伝統的なワインを造り続けている。元々スイスから移り住んだ。家族経営で、年間6万5000本を生産。98パーセントは白ワイン。リースリング種の特級畑を所有している。10数年前から日本への輸出を始めた。ジョン・ボクスレーさんの説明を聞きながら、応接間で試飲させてもらった。

 木組みの家など伝統的な建物が並ぶコルマールの「オテル・ル・コロンビエ」に宿泊。窓の外では、開幕を控えた恒例のクリスマスマーケットの準備に余念がなかった。

<取材協力>
アルザス地方観光局(www.tourisme-alsace.com)

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