「私は強欲でも独裁者でもない」―。
保釈中に国外に逃亡した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告は、1月8日にレバノンの首都ベイルートで開いた記者会見で、繰り返しこう述べた。
本当にゴーン被告の起訴容疑である有価証券報告書への「報酬の過少記載」や、会社のカネを私物化した「特別背任」は、当時のゴーン会長を追い落としたかった西川廣人社長(後に辞任)らの陰謀によるクーデター、でっち上げで、ゴーン被告は「無実」なのだろうか。
保釈の条件を破り、不正な手段で出国したことには、日本人の誰もが許せない気持ちに違いない。確かに国内でも「人質司法」として批判が強い日本の検察当局の捜査尋問手法や、裁判制度については大きな問題があることを、誰もが感じているのは間違いない。
だからと言って「(時間がかかる裁判によって)日本で死ぬか逃げるかしか方法がなかった」という主張が正当だと考える人は、日本にはいないだろう。欧米メディアの中には、日本の司法制度の問題を理由に、ゴーン被告を擁護する論調もあるが、さすがに法治国家である日本を全面的に悪者扱いしているものは少ない。
問題は、ゴーン被告が会見で「潔白だ」と主張した容疑が、本当に問題ないことだったのかどうかだ。
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