中国による香港統治の強権的手法に危機感を強めた台湾住民によってもたらされた、今回の蔡英文総統の勝利―。
「中台統一は中華民族の悲願」とする中国の習近平政権は、この結果に悲観しているのか。あるいは、焦りはないのだろうか。
これまで習近平政権は、台湾政策において5つの柱を軸としている。
(1)平和的統一
(2)1国2制度
(3)1つの中国
(4)中台経済の融合
(5)同胞意識の推進
経済、軍事的圧力を加え、大陸での台湾人優遇措置や世論工作で台湾人の心を掌握しようというものだ。
加えて指摘されてきたのが、台湾人に対し、戦争か統一かとの選択で台湾人が「戦争よりも統一」を選択するよう周辺環境を整えることである。
そのために時には軍事的恫喝をし、あるいは台湾の政治家のメールをハッキングして公開するなどソーシャルメディアでの拡散戦略といった情報かく乱も行ってきた。
5つの柱以外に、最後の手段としてさまざまな武力統一のシナリオも描いており、習近平国家主席は台湾攻略に向けて具体的に戦術部門の底上げを指示してきた。
今回の総統選前に話を聞いた中国の元高官と軍事・外交関係者は、台湾の「孤立化」をキーワードに、大まかに3つの“台湾包囲網”を指摘、台湾人に「戦争よりも統一」を選択させる環境整備だと強調した。
本稿では、そうした習近平政権の本音の一端を探る。
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