経済運営に失敗してハイパーインフレーションを起こした国は、歴史上いくつもある。
現在の世界では、ベネズエラがその例だ。
ハイパーインフレが発生し、2019年1月のインフレ率は268万%にもなった。国民は自国通貨でモノを買うことができなくなった。蓄積してきた資産も無価値になった。そして、多くの人々が国外に逃げ出している。
もしリブラがドルに対して価値を維持することに成功すれば、ベネズエラの国民は、自国通貨である「ボリバル」ではなく、リブラを用いるだろう。リブラの利用に国境の制約はなく、スマートフォンさえ利用できれば、どの国民であろうが、自由に送金したり受け取ったりすることができるからだ。ボリバルより便利に使える。
しかも価値が安定しているから、国民はハイパーインフレの災厄から逃れることができる。
しかしそうなれば、ボリバルは駆逐され、使われなくなってしまうだろう。
こうしたことになるのは、ベネズエラだけではない。リブラが成功すれば、弱小国通貨からリブラへの大規模なキャピタルフライト(資本逃避)が起こる可能性がある。
これは、経済が破綻している国にとって、緊急に対処が必要な深刻な問題だ。
関連記事(新潮社・Foresightのサイト)
バックナンバー




習近平が考える3つの「台湾包囲網」戦略
(20/01/21)米イラン「軍事衝突」苦悩する「EU」ほくそ笑む「プーチン」
(20/01/09)習近平「経済政策」は「計画経済への逆戻り」か
(19/12/25)「年金制度改正」で加速する安倍政権「高齢者いじめ」
(19/12/24)「ブルームバーグ前NY市長」の民主党大統領候補指名獲得に向けた「制約」
(19/12/13)このまま「中東派遣」で自衛隊は大丈夫か
(19/11/20)安倍首相はなぜ「規制改革」をやめたのか
(19/11/13)実質破綻「国連」分担金制度いまこそ見直しを
(19/11/12)「欧・米」金融緩和でも「日銀」現状維持は「時間稼ぎ」
(19/10/17)「大統領当選可能性」と「脆弱性」が混在し始めたバイデン前副大統領
(19/10/10)「政府」「中央銀行」への本質的な「リブラの脅威」
(19/10/10)関西電力「高浜事件」は「NIMBY」から「KIMBY」への変質が原因
(19/10/09)「米中露」関係激変で遠のいた北方領土交渉
(19/10/04)実は「ラグビー大国」ジョージアは「W杯」のダークホースとなるか
(19/09/20)香港デモ「中国」武力鎮圧「これだけの可能性」
(19/09/18)民間が尻拭い「経産省人脈」の成長戦略「破綻」に怨嗟の声
(19/08/30)特集
コラム・連載