「米中露」関係激変で遠のいた北方領土交渉
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名越 健郎

 通算27回目となった、9月5日のウラジオストクでの安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン露大統領の首脳会談は進展がなく、交渉継続を決めただけだった。28回目は、11月にチリのサンティアゴで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合に合わせて行われるが、前進はなさそうだ。

 「私とウラジーミルの手で平和条約を締結する」との首相得意のフレーズは色褪せ、これを信じる国民はほとんどいないだろう。各紙の社説が訴えるように、対露政策の再構築が不可欠だ。

 現時点で交渉を総括するなら、北方領土交渉不調の最大の要因は、日本のメディアが指摘するロシアの国内事情よりも、米中露の3国関係が変質したことが大きい。

■名越健郎氏■
1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。

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