東京電力が撮影した被災4日後の福島第1原子力発電所3号機と4号機。3号機(左手前)は水素爆発で原子炉建屋が吹き飛び、4号機(中央奥)は建屋の壁に大きな穴が開いている。3号機と4号機の間からは白い煙が立ち上っている=2011年3月15日午前7時33分[東京電力提供]【時事通信社】
科学ジャーナリスト
塩谷喜雄 Shioya Yoshio
中国高速鉄道の事故で、中国当局による報道規制を口をきわめて非難する日本のマスメディアは、おのが姿を鏡に映して見たことがあるのだろうか。5カ月前に、日本で起こった原発事故――未だ8万人以上に避難生活という理不尽な不幸を強い、農畜産業と水産業に深刻なダメージを与えている空前の大事故、3.11。その真実を、日本のメディアはどれほど伝えているのか。
法的責任を負うべき当事者、つまり検察がまっとうに機能すれば当然起訴の対象となるべき組織と人間が、恣意的に加工して発信する情報を、無批判に世の中に広めているだけではないのか。結果として、責任企業と責任官庁による証拠隠滅を黙認してはいないか。事故車両を地中に埋めた中国と、本質においてどこが違うのか。公然と物的証拠を埋没させた中国当局に比べ、断片情報を意図的に連発して、巧妙に国民を真実から遠ざけている日本の方が、事態は深刻ではないか。
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