かわいいキャラクターのムーミンで有名なフィンランド。サンタクロース村やサウナ、愛らしく大胆な柄のアパレルブランドのマリメッコは日本の女性にも人気だ。
豊かな自然に恵まれるフィンランドだが、天然資源に乏しくエネルギー資源の輸入依存度は高い。少子高齢化も進み、社会福祉施策のための財源確保など日本と共通の課題を抱えている。
こうした事情を背景に、多様な産業育成の必要性を感じたフィンランド政府は、学生らを対象にした起業教育を重視するようになり、「スタートアップ」と呼ばれる新興企業に対する支援にも力を入れるようになった。スタートアップとは、革新的な技術やアイデアを基に急成長を目指す企業体ことで、起業の新たな形として注目されている。
また同国では、2008年に始まった起業支援イベント「SLUSH(スラッシュ)」が欧州最大規模の起業家の祭典に成長。スラッシュが開かれる11月には、ビジネスチャンスを求め世界約100カ国の起業家、投資家らが同国に集結する。
2015年11月、筆者はヘルシンキで開催されたスラッシュに参加。フィンランドのスタートアップ最前線を取材した。(時事通信社外国経済部・岩﨑万季)
新着
会員限定