会員限定記事会員限定記事

サッカー欧州選手権・激闘の歴史

W杯に次ぐ主要タイトル

 サッカーの欧州選手権(EURO=ユーロ)は4年に一度、欧州のチャンピオン国を決める大会だ。ワールドカップ(W杯)の中間年に開催され、予選も2年がかり。代表チームが王座を争う大会としては、サッカー界でW杯に次ぐトーナメントとして注目を集める。

 2016年大会までの15回で、ドイツとスペインが各3度、フランスが2度、ソ連(ロシア)、イタリア、チェコ、オランダ、デンマーク、ギリシャ、ポルトガルが各1度頂点に立った。W杯に比べて特徴的なのは、意外な王者が誕生する確率の高さだ。歴代優勝国のうち、優勝1回のソ連、チェコ、オランダ、デンマーク、ギリシャ、ポルトガルは、18年までの段階でW杯の優勝がない。W杯で一度も頂点に立っていない旧東側諸国も、ソ連とチェコが欧州制覇を果たしている。

 このうち、デンマークとギリシャはW杯で4強以上の経験がない。92年大会を制したデンマークは、本来予選で敗退していたところが、予選で同組だったユーゴが制裁措置で出場できなくなり、代替国として急きょ大会参加を許された。04年大会に勝ったギリシャはドイツ人のベテラン監督レーハーゲルの指導の下、厳しい守備を徹底して波乱を巻き起こし、あれよあれよという間に頂点に立った。しかし、2年後の06年W杯では予選敗退。ギリシャの躍進は、この大会のみの「真夏の夜の夢」に終わった感がある。

 今ではW杯優勝国にその名を連ねるフランスとスペインも、欧州制覇の方が先だった。フランスがユーロに勝った際には、新鮮な印象を残したものである。84年に欧州を制したフランスがW杯に勝つのは14年後の98年であり、64年の欧州選手権で頂点に立ったスペインが世界制覇を果たすのは、44年たった08年である。

 意外な王者の誕生の一方、W杯で4度王座に就いているイタリア、1966年大会を制したイングランドの両国にとって、欧州選手権はあまり相性のいい大会とは言えそうもない。イタリアの優勝は自国開催の68年大会のみ。イングランドに至っては決勝進出すらなく、準決勝進出の経験が2度あるだけ。自国開催の96年大会も準決勝でドイツにPK戦の末屈した。

話題のニュース

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ