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◆コラム コロナからの再生、一歩ずつ 八角理事長に聞く(下)協会編
 若林哲治の土俵百景

2022年12月28日15時00分

相撲を続けることが第一

 日本相撲協会・八角理事長(元横綱北勝海)の年末インタビュー後半は協会運営について聞いた。新型コロナウイルス感染症を巡る状況の変化に伴い、観客の入場者数が定員いっぱいに戻り、巡業も再開されたが、新弟子のスカウトやコロナによる減収からの回復など、課題は尽きない。

  ◇  ◇  ◇

 ―コロナの状況もだいぶ変わり、名古屋場所では観客が定員いっぱい入場できるようになって千秋楽は満員でしたが、幕内力士が15人休場せざるを得ない異例の場所になりました。

 「名古屋場所は大変でした。眠れなかった。あしたはどうなるんだろうと。濃厚接触だけでも休場になるから割(取組)が組めない。野球やサッカーと違って代わりが出場できないから」

 ―世の中はすっかり緩和が進み、スポーツ界も競技によってかなり緩いところも。

 「まだ(感染症法上の位置付けが)『5類』にならないことには。『2類相当』のままだと休場させざるを得ないのでは。相撲部屋という特殊な環境で、感染力も強いから、部屋に(ウイルスが)入るとみんな休場になって相撲を続けられなくなる。続けるのがまず一番だから。完全に元に戻るのは相撲協会が最後じゃないですかね。また初場所前から外出制限もあるが、みんなよく我慢してやっています」

 ―コロナ禍の間、木戸(入場口)や館内巡回などを外部スタッフでやってきました。観客の楽しみや人件費の点からも親方衆に戻していきますか。

 「そうですね。一人ひとりが『有名人』で、それが大相撲の魅力でもありますから」

 ―記者の取材もリモートが続いていますが、いずれ支度部屋取材の再開を。

 「もちろん。それが大相撲の伝統だと思っています。やっぱり直接聞かないと、雰囲気とかいろんなものが伝わらない。支度部屋で風呂から揚がってさっと聞くのがいいのであって、着替えてからではね。取材されて、書いてもらってナンボだから」

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