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子犬を親から引き離す日数は

法案めぐり議論紛糾も

 NPO法人地球生物会議(文京区)によると、10年度に行政に殺処分された犬は約5万3000匹に上っている。

 水越さんは「子犬の飼い主から、『甘がみではなく、出血するほどかまれる』などと問題行動についてよく相談を受けます。犬が捨てられる主な理由の1つである問題行動には、日齢が遠因となるケースもあると思われます」と指摘する。

 水越さん自身、現在3匹の犬を飼っている。犬は2匹が殺処分寸前、1匹はペットショップから譲り受けた。

 そのうち3歳のアフガンハウンドについては「ドッグショー用に繁殖されたけれど、成長が遅いために捨てられたと思われます。引き取った時は本来20キロある体重が11キロしかなく、がりがりだった。人や他の犬にガウガウほえて、今でも大変」と語る。

 ペットショップから来た6歳のイタリアングレイハウンドは「生後30数日で母犬から引き離されたとみられ、40日齢でわたしが引き取った。この子は他の犬とは全く遊ばず、ドッグランに連れて行ってもわたしのそばから離れない」という。

 9歳のイタリアングレイハウンドについては「繁殖用の犬だったらしく、寄生虫フィラリアに感染し、歯はぼろぼろで、触ろうとしただけで悲鳴を上げ、金属のケージをたたく音を怖がる。トイレのしつけもできていなかった」と話す。

 このような実体験から水越さんは、「社会化されていない犬を飼うと、本当に苦労する。飼い主にとっても、動物が健康でちゃんと社会化されていることが一番幸せ。だから日齢は非常に重要なのです」と力を込める。

 改正法案は議員立法でつくられ、通常国会に提出される予定。焦点の日齢については議論が紛糾する可能性もある。飼い犬、飼い猫が計2000万匹を超える今、動物福祉の要である法律を改善していく責任が人間に問われている。

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