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子犬を親から引き離す日数は

災害時の対応

 東日本大震災ではペット、家畜など数多くの動物が被災した。特に東京電力福島第1原発事故では、飼い主が避難したために取り残された犬や猫、牛、馬などが餓死・病死したり、今も数え切れない動物が放浪したりしている。

 多くのボランティア、獣医師らが福島で救援活動を行ってきたが、救い出されたのはごく一部にとどまっている。

 難航した動物救援の背景の1つには法律の不備がある。そもそも動物愛護法には災害対応の条文がなく、約8割の自治体が地域防災計画などに災害時におけるペットの取り扱いについて明記しているが、自治体間で対応には差がある。

 このため報告書には、「災害時に動物救援や迷子動物の対策を推進するための根拠として、動物愛護法に基本的事項を規定するべき」などとされた。

 「震災時は、動物を連れて避難するという原則を入れるべきです」と話すのは山口さん。「東日本大震災では、特に福島第1原発から半径20キロ圏内の警戒区域に入ることができないため、えさやりすらできない。放射能のためにボランティアもなかなか来られない。せめて動物愛護法に同行避難の原則があったら、福島の飼い主はとりあえず動物と一緒に逃げられたはず」と悔しさをにじませる。

 法律に同行避難が盛り込まれれば、各自治体は地域防災計画の中で、被災者が連れてきた動物の保護方法など具体的な対策作りを迫られることになる。

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