6月21日は父の日。プレゼントなど準備している人もいるだろう。ところで、父親というとどのような姿をイメージするだろうか。共働きが一般的 になりつつある現代。子育てとの両立は母親だけの問題ではない。一般企業で働く30代の中堅社員から、ベンチャー企業を率いる50代の経営者まで、普段あまり注目されることのない父親たちの奮闘ぶりと、それを支える企業の取り組みをリポートする。(時事通信社・菊池えり)
最初に登場いただくのは、ITサービス会社、SCSKの技術開発部で働く岩本健さん(33)。丸顔で、いかにも優しそうな雰囲気だ。6月上旬に 取材に訪れると穏やかな語り口で応じてくれた。
岩本さんは関西の私立大学を卒業後、2004年に新卒で住商情報システム(現SCSK)に入社した。人材育成を担当する部署で、新人向けにプロ グラミングの講師などを経験した後、民間のIT研究所に出向。2年間は研究生活を送る。
09年に出向先から戻り、海外の先端技術を国内でどのように事業化するか考える仕事に携わっている。今年4月からは3人の部下をもつ課長になっ た。
私生活では08年に同期入社の妻(34)と結婚。現在、双子の息子(4)と娘(1)、義母(67)の6人で千葉県内に暮らす。妻は4月に娘の育 児休業から復職し、共働きの生活がスタートした。
では、岩本さんの1日を紹介しよう。午前6時に起床。朝食は岩本さんが作る。子どもたちと慌ただしく食事を済ませ、7時すぎには保育園に向けて 出発だ。
幼い子ども3人を時間通りに連れて行くのは至難の業だが、ここは義母という強力な助っ人が車で送ってくれる。子どもたちを保育園に預けると、夫 婦で職場に急ぐ。
出社は8時半ごろ。9時に始業し、部下の資料確認や社内の打ち合わせなどをこなす。終業は午後5時半だ。
時短で働く妻が先に帰り、子どもの迎えと夕食の準備を済ませる。岩本さんは午後7時ごろ帰宅。子どもたちの入浴と寝かし付けをしている。ちなみ に洗濯は義母が、掃除は夫婦で週末にまとめてするそうだ。
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