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復活C61 20

起点の高崎へ

 山あいにこだまする汽笛、黒い煙とともに後方に流れ去っていく窓外の田園風景-。昔懐かしい蒸気機関車の旅は、心温かく、郷愁への誘いに満ちているが、それでいてどこか新鮮な出会いや発見にも似た不思議な魅力を秘めている。

 群馬県内では、長い眠りに就いていたC61 20が復元され、2011年6月から復活運転が行われている。廃車になったC61が再び鉄路を走るのは38年ぶり。一足早く現役復帰していたD51 498と同じJR東日本の動くSLシリーズの仲間に、新たに加わった。

 上州路を力強く駆け抜けるC61の勇姿をこの目で見たい。子供のころに聞いた、あの長く尾を引くような汽笛の音や、人の呼吸のような蒸気の音を再び耳にしたい。

 そうした思いに突き動かされるように、キャンセル待ちの末、やっと購入できた切符を手にして、SL運行の起点となるJR高崎駅へと向かった。

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