次世代中型旅客機ボーイング787型機が2011年夏、世界に先駆けて日本でデビューする。機体部品の35%以上を日本メーカー勢が手掛け、全日空(ANA)が1号機引き渡しを受けるローンチカスタマーとして協力。日本とゆかりが深く、「準国産機」とも呼ばれる。
炭素繊維複合材の多用で燃費を従来の中型機に比べ20%削減でき、省エネ時代にもぴったり。乗り心地もぐっと良くなった。話題のB787の見所を詳報する。
(時事通信社記者 新井佳文)
◇スピードからエコに転換
まずは787が開発された経緯から説明しよう。ボーイングは当初、次世代機として、音速近くで飛べる超高速機「ソニック・クルーザー」を構想していた。欧州のライバル、エアバス社が開発に乗り出した超大型機「A380」のスケールの大きさに、スピードで対抗しようと考えたのだ。
ところが、2001年の米同時テロ事件で、航空業界を取り巻く環境が一変した。その後の燃料費高騰もあり、ボーイングは次世代機のコンセプトをスピードからエコ重視に転換した。それが、03年に発表された「7E7」、通称「ドリームライナー」だ。その後、正式名称は「787」に決まった。
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