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原油価格暴落にあえぐアゼルバイジャン

「第2のドバイ」は見果てぬ夢

 25年前にソ連から独立したアゼルバイジャンはカスピ海油田開発に成功し、驚異的な経済成長を遂げた。高層ビルの建設ラッシュに沸いた首都バクーは「第2のドバイ」とも呼ばれた。

 だが、2014年以降の原油価格暴落で同国経済は深刻な打撃を受け、16年は石油ブーム以来、初めてマイナス成長に転落する見通しだ。バクーでは石油ブームの光と、それが去った後の影が交錯している。現地の今をレポートする。【時事通信社外信部 奥山昌志】

 世界最大の湖、カスピ海から吹く強い風に乗って、原油の臭いが運ばれて来る。

 「カラカラ、ギー」。原油を汲み上げるポンプのアームがゆっくりと上下し、錆びた金属がこすれ合う鈍い音を響かせた。

 バクー南郊のビビ・ヘイバト油田。100年以上の歴史を持つバクー油田の中でも最も古いものの一つだ。

 「ここで採掘がはじまったのは1900年。岸辺の水面に原油が湧いてくるのが見つかったことがきっかけで、大規模な干拓が行われ、油井が掘られた」。案内してくれた国営アゼルバイジャン石油会社(SOCAR)の技術者はそう話した。

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