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一式双発69年ぶりの覚醒

2013年12月11日17時00分

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 奥入瀬のほとばしるような水の流れ、陽光を浴びて水晶のようにきらめく湖面。青森、秋田両県にまたがる十和田湖とその周辺の八甲田で、心が洗われるような数日を過ごした後、青森・南部地方へちょっと足を延ばすことにした。(2013年12月)

 目的地は、三沢市の県立三沢航空科学館。ここに、十和田湖の湖底から69年ぶりに引き揚げられた旧日本陸軍一式双発高等練習機(キ54)が、ほぼ当時の原形をとどめた状態で展示されていることを、しばらく前に新聞記事で読み、ずっと気になっていたからだ。

 一式双発高等練習機は、太平洋戦争中の1943(昭和18)年、飛行中にトラブルを起こして十和田湖に墜落。以来、湖底の冷たい水の中でずっと眠り続けてきた。

 70年近い時を経て、地元の人たちの熱意が実り、やっと覚醒した機体の実物は一体どんなものなのか、搭乗員たちのその後を知っている人はいるのだろうか。そうした疑問に答えを見つけてみたいと思った。

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