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世界陸上 100、200メートル展望

ボルト、かつてないピンチ

 陸上競技の華と言えば、男子100メートルだが、ジャマイカのウサイン・ボルトの活躍により、200メートルの関心も高まってきた。それぞれ、9秒台、19秒台が一流の証とされ、競技者は、「サブ10」と「サブ20」を目指して日々、努力している。今年8月には、北京で世界選手権が開催される。選手たちにとって、来年のリオデジャネイロ五輪、再来年のロンドン世界選手権に向けて、第一歩を踏み出す重要な大会だ。

 主役は、9秒5819秒19の世界記録を持つボルトだ。2008年北京五輪、12年ロンドン五輪の両大会で100、200、400メートルリレーを制し、3冠を達成している。リオデジャネイロ五輪でも3冠、そして3連覇を目指すと言ってはばからない。しかし、今、ボルトにかつてないピンチが訪れている。

 今季のボルトは、100メートル9秒87、200メートル20秒13と記録が低調だ。出場したレースは優勝こそ果たしているが、ラスト30メートルでどうしても力んでしまう。ボルトは100メートルで9秒台を2度マークしている一方、200メートルは19秒台を出せず、不安を抱えたまま世界選手権に臨むことになった。100、200で今季世界最高をマークしているのは、いずもジャスティン・ガトリン(米国)。04年アテネ五輪100メートルで頂点に立った男が、ボルトを粉砕するのか。ボルトが王者の貫録を見せるのか。短距離王の座を賭けた戦いの行方を占う。(記録は、2015年8月31日時点のもの)。

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