ミゲル・コットVSサウル・アルバレス展望

真の世紀の一戦?

=WBC世界ミドル級タイトルマッチ=

世界ボクシング評議会(WBC)王者
ミゲル・コット(プエルトリコ) 40勝(33KO)4敗
           VS
挑戦者
サウル・アルバレス(メキシコ) 45勝(32KO)1敗1分け

【日時】
2015年11月21日(日本時間22日)開催予定

【場所】
米ネバダ州ラスベガス
マンダレイベイ・イベントセンター

【収容人数】
約1万2000人

◇ ◇ ◇ ◇

 プロボクシングの強者が集うミドル級(リミット72.5キロ)の王座を賭けて、WBC王者コットと、メキシコの若き天才アルバレスが対戦する。2013年あたりから決戦の気配が漂い始めたが、すれ違いが重なり、「やる」「やらない」を繰り返してきた。15年の試合では、「世紀の一戦」フロイド・メイウェザー(米国)-マニー・パッキャオ(フィリピン)戦に次ぐ規模で、またしても世界中からラスベガスへ熱い視線が注がれる。

 スーパーライト級(同63.5キロ)からミドル級まで、世界4階級制覇の王者コットは、「カリブの英雄」「プエルトリコの星」とうたわれる強打者。2000年のシドニー五輪出場後にプロ転向し、無敗のまま世界王者になった。ウエルター級(同66.6キロ)王者時代は、49戦全勝のメイウェザーの対抗王者と言われていた。メイウェザーがスピードキングなら、コットはディフェンスマスター。額の位置までガードを上げ、深いクラウチングスタイルから、ボディー、顔面へのフックを武器に数々のKO劇を生み出してきた。

 対して、挑戦者アルバレスは弱冠15歳でプロデビューを果たし、20歳にしてミドル級の1階級下、スーパーウエルター級(同69.8キロ)王者に輝いた。パンチ力、防御力、スピードのどれもが一級品。穴のない攻防兼備のスタイルは、25歳の若者ではなくベテランのように映る。しかも、どのパンチでもKOできるため、歴戦の雄コットでも、やっかいな相手だ。13年9月、アルバレスはメイウェザーに挑戦。全勝同士のファイトとあって、大きな注目を集めた。勝利を期待されたアルバレスだが、メイウェザーのスピードの前に空転を繰り返し、0-2の判定負けで初黒星を喫した。しかし、復帰戦から3連勝(2KO)と息を吹き返して、コットとの対戦に至った。勝てば2階級制覇となり、復帰すればの話だが、メイウェザーへのリベンジの芽も出てくるかもしれない。

 フリオ・セサール・チャベス-ヘクター・カマチョ、ウィルフレド・ゴメス-カルロス・サラテ、オスカー・デラホーヤ-フェリックス・トリニダード。数々の名勝負を繰り広げてきたプエルトリコとメキシコは、長きにわたりライバル関係にある。今回も両国の選手が戦うため、国民のボルテージは上がる一方。判定勝負に納得してくれる人は少なそうだ。従って、メイウェザー-パッキャオ戦では気配すらなかったノックダウンの応酬、KO決着が見られるかもしれない。そうなれば、「真の世紀の一戦」という評価が下されるはずだ。ファイトマネーも総額50億円に達すると伝えられており、勝てばこのクラス最強とされるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、あるいは復帰の可能性があるメイウェザーと激突する話も出てきそう。「戦いの神」ゴロフキン、49戦全勝のメイウェザーとの決闘ともなれば、さらなる富と名声を得る。メガファイトへのきっかけをつかむのは、プエルトリカンか。メキシカンか。

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