「体感するファーブル昆虫展」に行こう 昆虫記の世界からゾゾゾの蟲、夢の映像世界、超巨大昆虫、触れ合い体験まで徹底リポート

2022年07月15日18時00分

気の弱い人には「ゾゾゾな蟲」は無理 夢の映像世界で体調立て直し

 そしてようやく5階にたどり着く。5階の最初のコーナーは「ゾゾゾな蟲たち」。「生きたゴキブリの集団や巨大ムカデを見たら失神してしまう」という気の弱い人は絶対避けた方がいいコーナーなので、そんな人々がここを飛ばして進めるよう、規制線と注意書きがある。そうされると、怖いもの見たさの人は、余計に興味をそそられる。

 万が一ゾゾゾの蟲を見て気分が悪くなった場合には、すぐ近くに、おとぎの国の森に蝶が舞っているような世界を体験できるプロジェクションマッピングのコーナーがあるので、そこで体調を立て直してほしい。

 次に出現するのは動く「巨大昆虫の森」だ。人の背丈よりも大きなカマキリ(長さ3.2メートル)が獲物を捕まえようとカマを研ぎ、怪獣のようなスズメバチ(2.5メートル)が威嚇してくる。インスタ映えを狙って、巨大昆虫に襲われる写真を撮るのもいいだろう。

 昆虫がもしこんなに大きかったら、人間がずっと小さかったら、虫が世界を支配し、人間はコソコソと片隅に隠れて暮らしていたかもしれない。そんな世界を想像してみるのもいい。

 地球は人間だけのもの、他の生き物は人間が快適に暮らせるよう、隅に隠れているか死滅したらいいというおごり高ぶった考え方に、疑問を持つのはいいことだ。実際、生息数で見れば、人間より虫の方がはるかに多い。種類数なら虫は100万以上と言われるが、現代人のホモサピエンスは1種だけで、霊長類全体でもせいぜい300種程度。地球上では今のところ、昆虫の方が人間より繁栄していると言えそうだ。

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