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卓球日本女子に「パリの灯」は見えたか 渡辺新監督に聞く

2021年12月16日15時00分

手応え残した平野、まだ戦える石川

 東京五輪で混合ダブルスの金をはじめ4種目でメダルを獲得した卓球日本。その女子代表監督を、10月から前コーチの渡辺武弘さん(60)が務めている。初仕事となった世界選手権個人戦(11月23-29日、米国・ヒューストン)は日本選手のレベルアップとともに、中国の壁の厚さと世代交代を感じさせたが、新監督の目にはどう映ったか。

  ◇  ◇  ◇

 日本女子は伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)、平野美宇、早田ひな(ともに日本生命)、芝田沙季(ミキハウス)が出場。シングルスは伊藤と早田がそれぞれ準々決勝、4回戦で王芸迪(中国)に、石川と平野はそれぞれ準々決勝、4回戦で陳夢(中国)に敗れ、芝田は3回戦で伊藤に敗れた。陳夢は世界ランク1位(大会開幕時)で東京五輪の主力だが、王芸迪は中国勢で事実上の4、5番手。出場選手数が少ない五輪では分からない中国の層の厚さも再認識させられた。

 -大会を終えて。

 「五輪から3、4カ月たったとはいえ、選手は自国開催の五輪に懸けていたので、コンディションをどこまで回復できるかと思っていましたが、みんなエンジン全開で臨んでくれた。さすがだなと思いました」

 -平野選手は陳夢と3-4。あと一歩でした。

 「いいプレーをしました。勝てはしなかったけど、本人もかなり手応えがあったようです」

 -今はコース取りも考えつつ本来のテンポでラリーができる。長い間苦しみましたが、一つ違う段階に入って来たような。

 「合宿でもコーチと話し合いながらいい練習をしていた。特に台上プレーの練習をやっている。ストップとか流すとか。そこから3球目、4球目のプレーがすごく速くなった。作戦が立てやすくなったのでは」

 -石川選手は。

 「いい感じでリラックスしていて、力みがなくのびのびプレーできた。いい精神状態なら、まだまだできると証明されてよかった。五輪代表選考レースの頃はかわいそうなくらい神経質になっていましたが、今は少し達観したようなところがあるんでしょう」 

 -これなら若手が石川選手を超えるのはまだ大変です。

 「それは日本のためにいいことですよ」

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