2021年09月13日19時00分
緊急事態宣言発令中に開催された東京五輪・パラリンピック。多くの競技は無観客で実施され、テレビや動画配信での観戦が主流だったが、インターネット交流サイト(SNS)では五輪ネタが無数に飛び交っていた。大会期間中、いったいどんな言葉がつぶやかれたのか。データ分析会社「ブレインパッド」(東京都)の協力を得て、ツイッター歴10年の20代記者が分析してみると…。(時事通信社会部 小山貴央)
トレンド欄に聞き慣れない言葉
目覚めると、スマートフォンで新聞各紙の記事を確認し、ツイッターのトレンド欄をチェックする。いわゆる「モーニングルーティン」だ。異変を感じたのは、大会4日目の7月26日。泊まり勤務のため昼すぎにスマホをチェックすると、タイムライン上に聞き慣れない言葉があふれていた。「ゴン攻め」―。この日午前に行われた新競技スケートボードの解説者が放った「かなり攻めている」を意味する新語だった。
異例の形で開催された東京大会。SNSではどんな言葉がはやったのだろう。未知の言葉との遭遇に心が躍っていた私は、五輪開幕日の7月23日からパラリンピック閉会式の9月5日までのツイートを分析しようと、SNS分析ツール「ブランドウオッチ」を提供するブレインパッドに協力を依頼。「東京五輪」と「パラリンピック」に関連するハッシュタグが付いたツイートを抽出してもらい、日ごとのツイート数を調べてみた。
9月9日現在、期間中の全ての投稿で最も多かったのは「#Tokyo2020」だ。計100万9002件に上り、日別の順位でも常に上位に着けていた。2位は「#オリンピック」(計36万4588件)で、「#東京2020」(計25万4914件)がそれに続いた。
待ちに待った出番で急上昇
日別順位が初日の33位(364件)から最終日に7位(3805件)にまで一気にランクアップしたタグがあった。パラリンピック公式マスコット「ソメイティ」。五輪開会式に姿を見せず、五輪公式マスコット「ミライトワ」と共に米紙ニューヨーク・タイムズから「控えめな存在」と評されていた。
注目を集めたきっかけは、メダリストへの花束「ビクトリーブーケ」授与だったとみられる。五輪ではメダルと同色のミライトワの、パラリンピックではソメイティの縫いぐるみが手渡され、テレビではそれぞれを胸に抱いたメダリストが笑顔を見せていた。クライマックスはパラリンピック閉会式。ミライトワ、ソメイティが並んで登場すると、「やっと出番があって良かった」「みんな待ってた」と好意的なツイートで歓迎された。
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