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【地球コラム】「米国は台湾を見捨てる」

「援軍来ずに降伏」

 中国メディアは、米国がアフガンの民主政権を最後まで支えることなく撤退し、多くのアフガン人協力者をアフガン国内に残したことを「自国の利益を優先して盟友を見捨てた」実例として捉えている。その上で、台湾に対し、同じ結末を避けるためには米国と距離を取るよう警告を発した。

 新華網は16日に論評を掲載し、米国は台湾を利用して中国を抑制しようとする良からぬ習慣を改めなければならないと強調した。米国の歴代政権は台湾問題が米中関係における最も重要で最も敏感な問題だと理解しており、決して台湾のために中国と戦うことはないと主張し、バイデン政権も自国の戦略的目標と利益を考量して「台湾カード」を切っているだけで、米台関係が深化しているのは単なる「仮象」にすぎないと断じた。これを理由に、台湾の民進党当局に対しては、自身の政治的利益のために米国を代表とする各種反中国勢力に協力することをやめるよう呼び掛けた。

 環球時報は17日に社説を掲載し、アフガン民主政権の崩壊は米国の信用に重大な打撃を与えたと指摘し、アジアで最も米国の保護に頼っている台湾に大きな衝撃を与えたと主張した。台湾海峡で全面的な戦争が勃発した場合、台湾軍の抵抗は数時間以内で瓦解(がかい)し、米国の援軍は決して来ることはなく、民進党当局は速やかに降伏するであろうと分析。戦争を回避するためには米国にくっついて中国本土と対抗する方針を大きく変更しなければならないと脅迫めいた論調を展開した。

 環球時報の19日の社説はさらに、米国が「最終的に必然的に」台湾を見捨てる理由を分析した。米国には軍隊を動員して台湾を守るための国内法上の根拠はなく、核保有国であり、軍事大国でもある中国と戦って勝利する保証もないため、中国ほどの強敵と戦争に突入するための巨大な代価を米国の国民が認めるはずがないと主張。米国にとって台湾はアフガンと同じで、台湾の政権を守るためのコストが利益を上回れば、台湾を見捨てるだろうし、そもそも台湾を見捨てることは米国にとって大きな損害ではなく、米中間の力関係の変化の当然な結末であると結論付けた。

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