人民日報は18日に中国外務省の華春瑩報道局長の17日の記者会見での発言を掲載した。アフガン情勢について、華氏は「米国の力と作用は破壊であり、建設ではない」と述べて、現状が米国のアフガン政策の失敗を証明したと強調。歴史、文化および国情が全く異なる国に「外来のモデル」を無理やり当てはめようとしても成功するはずがないと指摘し、強権的・軍事的手段を使って問題を解決しようとすると逆に問題を増やしてしまうと皮肉った。また、米中間の対立を念頭に、「民主」や「人権」を口実にして他国の内政に恣意(しい)的に干渉したり、他国と地域の平和と安定を破壊したりするような政策を反省するよう求めて、米国をけん制した。
また、人民日報は26日から3日連続で社説を掲載し、華氏の発言を踏まえつつ、米国が「西側(米国式)の民主」をアフガンに植え付けようとして結局失敗したと指摘し、自国の軍事力を迷信し、みだりに戦いを仕掛けても平和を実現できないと強調した。民主主義には特定のモデルがあるわけではなく、米国の専売特許でもないが、米国の政治家はいまだに米国式の民主を「輸出」する衝動に駆られていると主張。他国を「改造」する衝動を抑えなければ、米国はアフガンで喫した失敗と同じように再び痛い目に遭うと警告した。
中国側の論調には、特に米国の失敗を「他国に米国式の民主を押し付けようとして失敗した」実例として捉えようとする強い傾向が見られる。中国の国情に合わないことを理由に、普遍的な価値とされる「西側の民主」を拒絶し、共産党による一党支配体制も「民主」の一形式であり、中国に適したモデルであると国民に印象付けようとする意図が読み取れる。
新華網の報道によると、華氏は20日の記者会見で「外部の力によって強制または移植された民主は長続きしない」と述べて、米国の失敗の理由を分析し、民主であるかどうかを判定する基準は国民の期待、需要と要求に基づくべきだと主張した。中国は「人民民主」で実質的な民主であり、米国は「金銭民主」で形式的な民主であると断じ、中国の政治体制が中国国民の期待を満たしており、米国のそれよりも優れているとアピールした。
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