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【地球コラム】アフガンはどうなるのか?

あっけない無血開城

 この日が来ることは誰もが予期していた。しかし、8月15日、それは誰の予想よりも早くやってきた。反政府勢力タリバン戦闘員の一団がアルジャジーラの取材班を引き連れてカブールの大統領宮殿に入ったのだ。何の抵抗も受けない、あっけない無血開城の模様が全世界に生中継された。

 ヒゲとターバンとカラシニコフ銃に囲まれて、ひとりだけスーツ姿の男がいる。ガニ大統領の警護官を名乗るこの男は、促されてマイクをとると、「一緒に逃げようと空港まで行ったが、安全を保証されたので戻ってきた。血を流さずに宮殿(官邸)を引き渡すことができてうれしい」などと、悪びれる様子もなく語る。

 カブールは陥落したのではない。そもそも政府軍は戦わなかったのである。ワシントンでは、オースチン国防長官が「戦わない政府軍が悪い」。しかし「人の意欲や指導力まで買うことはできない」と述べたとフォックスニュースは報じた。(東海大学平和戦略国際研究所・客員教授 新谷恵司)

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